笑顔届ける ひな人形 宮城・東松島の仮設保育所に
2011年11月4日 10時13分
東日本大震災の津波で宮城県東松島市の保育園が壊滅的な被害を受けた話に心を痛め、東京都大田区の人形店「人形のプーペ」(田園調布1)代表 の山本詔三さん(67)が、現地の仮設保育所を町会仲間と訪問した。山本さんは7段のひな人形を自ら飾り付け、子どもたちを激励。「喜んでくれ、本当に 行ってよかった」と語っている。 (滝沢学)
東急線多摩川駅前に店を出す山本さんは、商店街で義援金集めもしてきたが、「直接何か手助けしたい」との思いが募っていた。そんな折、宮城県 石巻市出身で、商店街で呉服店を営む佐藤雄三さん(75)から、東松島市在住の妹、高橋妙子さん(66)が津波で被災、同市では保育所も壊滅的な被害を受 けたとの話を聞かされた。
「子どもたちに人形をプレゼントしたい」。そう思い立った山本さん。店のワゴン車を運転し、町会仲間の為田武康さん(66)、佐藤さんも連れて、七時間以上かけ東松島市入り。十月二十、二十一の両日、二カ所の保育所を回った。
初日に回った鳴瀬地区保育所は、津波で使えなくなった三つの保育所を一つに統合し、鉄骨プレハブ造りの建物で十月に運営が始まった。ゼロ歳か ら六歳児まで七十八人が通う仮設保育所だ。二日目の大曲浜保育所は、三月に廃園になった幼稚園の建物。津波の被害を修復し、一歳から六歳児二十八人が在籍 する。
園児は、山本さんの人形の飾り付けに興味津々。完成すると拍手や歓声が上がり、その後、「五人囃子(ばやし)は何を持っているの?」など質問 攻めに。山本さんは丁寧に答え、ひな人形について「皆、幸せな結婚ができるようにとの願いが込められているんですよ」と話し掛けた。
山本さんに同行した為田さんは、「子どもたちはすごく大変な思いをしているはずなのに、活発で無邪気で、そのかわいらしさは全世界共通。笑顔を見て疲れも吹き飛びました」と話している。